我猫世界 年表


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明治60年
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【一月:天照大神 蒸発】


大日本帝国から天照大神と御神体「ヤタノカガミ」が消える。

帝国内の神霊・妖怪が活発化し、治安が悪化した。


*天照大神は分霊が居るため、神話のように太陽が消える事は無かった。



【二月〜三月:明治政府 対神霊対策案を実施】


帝国内に跋扈する霊的存在等から国家を守るため、政府は各地に公認の陰陽師隊を配置。

国内の退魔資源を総動員し治安の確保に努めるとともに、国外からの人の出入りを制限した。

また非常大権(国家の危機に瀕し、一時的に憲法などの秩序を停止する権利)を発動、

神霊と戦うための国の根本改造を画策し、法律・教育・軍隊をごく短期間で独断的に調整した。



【五月:内閣総辞職】


上記の神霊対策で一応の秩序確保は成ったが、非常大権を行使した内閣は全方位からの非難を受け総辞職。

同月に新内閣が誕生するが、前内閣の主要面子は事実上政治から追放され、復帰することは無かった。

これが後に大きな禍根となる。


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明治61年
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【二月:第一次ヴァール襲来】


年が開け帝国内が安定してきた頃に、北欧から女神ヴァールの軍勢が襲来する。

ヴァールはその背後に天馬に乗った赤いヴァルキューリ(戦乙女)達を従え、東北地方を攻撃。

火の海にして二日後に消えた。

死傷者は数万人に上ったが、被害者の多くはこの事件を単なる「大火」と認識し、新聞社もそう報じた。


*この事件でナマハゲの9割が消滅。ただし死者の一匹がヴァルキューリと刺し違えたため、
 ヴァールは復讐と称して後に第二次攻勢を仕掛ける。






【四月:りんどぶりむ飛来】


帝都に魔竜りんどぶりむが飛来する。

陰陽師隊を血祭りに上げ自身への信仰とイケニエを要求したが、

政府が召喚した八百万の一柱「守宮神」との一騎打ちで傷つき、互いににらみ合い、こう着状態に陥った。





【七月:狸騒動】


全国から狸の妖怪が帝都に集まり、信楽焼の撤廃を求めて抗議の行進を敢行した。

「本物の狸はあんな金玉のんべぇじゃねぇだ!」を合言葉に、非暴力不服従で三日間の大騒ぎ。

終いには動けない魔竜りんどぶりむをおちょくり出したため、再編成された陰陽師隊が強制解散させた。

この騒動以降、なんとなく狸の信楽焼を扱う店が減ったという。


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明治62年
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【一月:第ニ次ヴァール襲来】


初日の出と共に再び北欧の女神が帝国を襲撃した。

今回は進路を変え近畿を急襲し再び火の海に変えようとしたが、

何も知らずに火の神カグツチの墓を燃やしてしまい、カグツチ(全長99尺)が復活。

ヴァールは逆に火達磨にされ、逃走した。


なお復活したカグツチは万人に視認できる状態でたたずみ、そのまま近畿地方を暖めている。





【六月:菅原落雷(通算二度目)事件】


新内閣の首相が、自身の後援団体の意向を汲み、天満宮に雷神トールの石像を置く事をこっそり決定。

本来なら大問題だが女神ヴァールや魔竜りんどぶりむの対策で忙しい世間の隙を突いた暴挙であった。

天満宮に後援者達と共にトール像を担ぎ込み、祭神として配置した瞬間、

雲ひとつ無い晴天から一筋の稲妻が音も無く天満宮に落ち、トール像と首相をなぎ払ったという。


幸い死傷者は出なかったが事が完全に露見し、首相は問責の前に行方をくらました。

翌日、異例のスピード人事で新首相が誕生する。





【六月中旬:ヴァチカン公認エクソシスト隊 来日】


大日本帝国の窮状にカトリックの総本山ヴァチカンから、

実戦エクソシスト隊が援軍として派遣される。

彼らはこの後警察機関や要人の護衛として帝国に留まる事になる。



【十一月:カトリックによる第六天魔王召喚事件】


大日本帝国に入り込んだカトリック神父の一団が、

第六天魔王(織田信長)の子孫の男性を誘拐、生け贄として転生の儀式を行い、

肉体を持つ生物としての第六天魔王を召喚した。


このカトリック神父達は「魔王=人に害為す者」と単純に解釈し、

第六天魔王を召喚する事で日本の秩序が破壊されると期待していた。


だが第六天魔王はその場の全員を太刀で斬り捨てた後、特に世をかき乱す事も無く、何処かへと姿をくらます。


風の噂では全国を旅し妖怪相手に血みどろの戦三昧を決め込んでいるとか、

明智光秀の子孫を探し帝都を人斬りとして彷徨っているとか、

絶世の美女を京都に囲い茶の湯と俳句の日々に目覚めたとか、様々な憶測が飛んでいる。

勿論真偽の程はさだかではない。



1話 2話 3話 4話


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明治63年
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【一月〜十二月:第三次ヴァール襲来】


この年は北欧の女神ヴァールの静かな侵攻の時期である。

全国各地にヴァールの手先のヴァルキューリが出没し、日本人の生命と魂を刈り取った。

政府は女神ヴァールを国敵に指定、帝国の総ての人間・妖怪・神霊に注意を呼びかけた。



【三月:魔王 黒死王(ペスト)襲来】


帝国の一部の港から輸入された愛玩動物がペスト菌を媒介、発症者が続出する。

医師団・陰陽師隊が港を封鎖、徹底的に浄化作業を行った。


新聞では「陰陽師隊、卑劣なる魔王を血戦の末に撃破」と報じられたが、

ペスト菌を放った魔王の姿を直接見た者はいない。



【七月:猫騒動】


過去の狸騒動と混同されやすいため、尋常小学校の試験問題に頻出する。

帝都に住む総ての猫の妖怪が、一時的に当時の政権に宣戦布告した事件。


発端は政府が帝都の衛生確保のために、ペストを媒介する鼠にするのと同じように、

野良猫の身柄に賞金をかけ、民間に捕獲を奨励した事に在る。


政府の声明が発せられた直後、議事堂にあらゆる猫妖怪が怒涛の勢いで押し寄せ、

陰陽師隊と衝突しながら議員を攻撃・死傷させた。


最終的には首相が現地で声明を撤回、猫妖怪側の代表(魂三郎)と

「永久友情特約」を結ぶ事で事態は収束した。


*なお、この永久友情特約は名前だけで、具体的な条文は無い。当事者の気分の問題である。


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明治64年
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【四月:第四次ヴァール襲来】


女神ヴァールの最後の侵攻。

ヴァルキューリと不死者の軍勢を率い、帝都に直接飛来した。


帝都に住む総ての生命をかき消し、その魂をアスガルド(天界)に連れ去ろうとしたが、

その作戦内容から既に飛来していた「魔竜りんどぶりむ」とも正面衝突。

りんどぶりむを牽制していた守宮神をも同時に敵に回すことになり、

結果的に女神ヴァールは二匹に生きながら、骨一片に至るまで完全に喰い尽くされた。


数年にわたる女神の侵攻はこの日僅か一時間程度で幕を下ろし、未だに第五次襲来の兆しは無い。


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明治65年
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【八月:稲荷狐による文部大臣公開処刑】


何かにつけて失態を重ねる帝国政府がまたもや「やらかし」た。

内閣閣僚の一人(文部大臣)が自身が多大な精神的援助を受けている宗教団体に便宜を図り、

公の場で稲荷神社の霊狐を「畜生」呼ばわり、正当な神の使いではないと発言した。


稲荷狐はその日のうちに閣僚の夢枕に立ち、

国の文教行政を担う大臣の言葉の軽さを非難。

余命三日を宣告し、掻き消えた。


あくる朝から帝都の物陰、屋根上には無数の白狐が大臣の後をつけて出没するようになり、

常時呪いの言葉を囁くようになった。

白狐は次第に数を増し、二日後の夜にはゆうに百匹を超えていたと言う。

大臣の周囲には底冷えのするような呪詛が満ち、彼が休むことも、眠る事も許さない。


異変に気付いた首相が稲荷狐に謝罪と神社の増築を申し出たが許しは出ず、

文部大臣はきっかり三日後の午前零時に路上で衰弱死した。


*神の使いに直接閣僚を殺された大失態により、内閣はまたもや総辞職した。




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明治66年
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【四月:百鬼夜行】


この年は大寒波が帝都を襲い、四月に入っても春の気配は皆無であった。

寒さに耐えかねた一匹の猫(墓猫)が「寄席鍋やろーぜ」と周囲に呼びかけたのをきっかけに、

帝都の内外から寒さに苦しむ流浪の妖怪が大挙、百鬼夜行に発展した。


政府は全陰陽師隊を討伐に向かわせるかどうかを最後まで議論していたが、

決断した頃には寄せ鍋大会はとっくに終了しており、妖怪達も解散していた。


*内閣は決断力の遅さと、妖怪の大跋扈を許した責を問われ総辞職。



【四月〜八月:座敷わらし大量発生】


上記の百鬼夜行に参加した座敷わらし達が帰り道が分からなくなり、

帝都内で迷子になった事件。

自分の家を探してそこらの家に毎日出入りを繰り返したため、

帝都の総ての家に金と幸運が舞い込み大混乱に陥った。


ただ道を歩くだけで金が懐に飛び込んでくる有様で、人々の労働意欲は低下し堕落する者が続出。

彷徨い続ける座敷わらしの群を、見かねた見守り地蔵が連携して家に送り届けるまでの数ヶ月、

帝都の諸機能は別の意味で停止していた。

座敷わらしが帰宅すると途端に状況は元に戻り、無茶な金繰りをしていた人々は一気に破産した。


帝都の運気が水泡の如くふくらみ、そして弾けて消えたこの現象を後に「水泡経済」と呼ぶ。


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明治67年(「縊り影」時点)
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現在進行中。






 

 

 

 



 

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